北空からのオクリモノ【完結】

 

 生まれつき心臓疾患を抱え、交通事故により車いす生活を余儀なくされた冬馬は、過保護な母親もあり、毎日病室生活を送っていた。

快適で何不自由ない環境であるにもかかわらず、どうしても外に出たいと願ってしまう。

だが、11歳という幼い年齢ながら、思考が現実的であるだけ、この部屋から抜け出せないとは理解していた。

夢を見るだけ無駄だ、と幻滅しないためにも、感情を隠すことが冬馬の昔からの癖だった。

そんなある日、自身が「北極星」と名乗る少年、ポラリスが突如、冬馬の前に現れる。

あまりにも突飛な現実だが、これは幻想だと思うことで、冬馬はポラリスとの日々の生活を楽しむようになる。

壮大な宇宙に住む星との出会いにより、幻想の力を知り、ものの見方が変わり、冬馬の見ていた狭い世界が徐々に広がっていく。

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こちらは、「凛からのオクリモノ」(書籍版では「〇〇からのオクリモノ」)に登場する雪村冬馬の番外編になります。 番外編の為、本編未読でも本作品を読むことは可能ですが、合わせてチェックしていただけますと嬉しいです。

※この物語はフィクションです。実在の人物、組織などとは一切関係ありません。