恋愛×ゲーム

終章『永遠の始まり』

「ねぇ!何であたしだけ除け者なの!?」ナナミは、今にも泣き出しそうな顔で担任に迫る。「除け者にしてる訳じゃない。ただ、学園祭はもう明後日なんだ。すでに準備は終えてやることもないから休んでおけ、と言っただけだ」担任は困惑した調子で対応する。「…

第四章『真理ゲーム』②

「自分を止めて欲しかったんじゃないの……?」姉は何も答えない。私は視線を逸らさずに言葉を続ける。「お姉ちゃんは、いつも私の為、と言うけれど、結局それは、自分の目的を達成する為だったでしょ?『永遠印』は、お姉ちゃんの願望と復讐の感情から生み出…

第四章『真理ゲーム』①

テーブルとソファ、テレビにキッチンの備わった馴染みのリビング。帰宅した際、最初に訪れる安堵の空間だ。しかし、今日は普段と違い、ピリピリとした空気が張り詰めていた。「リョウヘイくん。久しぶりだね」姉は、リビング奥の椅子に座るリョウヘイに気づく…

第三章『藍の河原と星図鑑』⑦

一晩明けた朝。深夜の件から、正直ほとんど眠られなかった。コテージ内で、コンビニで購入したパンを黙々と齧る。「風嶺ちゃんって、彼氏いるんだよね?」バイトの一人が、私の指輪を見ながら尋ねる。「あ、はい……」「タニさんには、気をつけた方がいいよ」…

第三章『藍の河原と星図鑑』⑥

「皆さん、風呂入ってきてください。ここはオレが片付けておくんで」BBQがひと段落した後、ガクトバラくんはハキハキと宣言する。「いや、さすがに俺らもやるって」タニさんが苦笑しながら網に手を伸ばすと、ガクトバラくんは咄嗟に網を奪って遠ざける。あ…

第三章『藍の河原と星図鑑』⑤

「推薦、受けることにします」何度目かとなる担任との面談で、私は告白した。「そうだな。その方が良いと俺も思う。じゃ、まずは願書の準備だな」担任はさっそく資料を漁り始める。「タニさんに申し訳ないなぁ……」私の志望する大学の特待制度は、三年生前期…

第三章『藍の河原と星図鑑』④

ベッド脇には普段リョウヘイがつけているアクセサリー類が置かれ、床には私の衣服が散乱している。薄暗い部屋の中、お互いを呼ぶ声と熱い吐息で溢れた。「……ユイ…………」リョウヘイは、私の名前を呼びながら、首筋を唇でなぞって身体を弄った。甘い吐息と…

第三章『藍の河原と星図鑑』③

「えっ、特待制度ですか?」「あぁ。今のおまえなら私立ではあるが、学費免除になる特待制度の推薦が受けられるんだ」担任はそう言って私に資料を差し出す。軽く目を通すと、ほとんどがオープンキャンパスで訪れた大学で、全額免除になる推薦枠もあった。何度…

第三章『藍の河原と星図鑑』②

アルバイトを始めて一ヶ月以上経った為、仕事内容もほぼ覚えていた。しかし、このスーパーは激安を売りにしていることからも、言ったら何だが、客層もそれ相応のレベルの人がたくさん来る。いわば、老害って奴だ。「おい、ねーちゃん。ポリ袋切れてんだけど、…

第三章『藍の河原と星図鑑』①

「あれ、何の星だろう……」空を見上げると、どの星よりも一層際立つ明るい星が目に飛び込んだ。近くで輝く夏の大三角を構成する一等星よりも、はるかに明るくて大きい。星について詳しくはないが、それでも一等星が一番明るい星だとは知っている。「もしかし…

第二章『赤い虚構を想う空』⑨

秋を知らせる冷たい風が吹く。頭上で掠める音が鳴り、風と共に色づいた葉が舞った。いつの間にか全ての種目が終了したようで、閉会式の為に、生徒を招集するアナウンスが流れる。ジョウジマくんはグラウンドの方へと視線を送る。私は彼の横顔をじっと見た。い…

第二章『赤い虚構を想う空』⑧

応援合戦に全てを捧げたおかげで、脳がキャパオーバーを起こした。目前で繰り広げられる演目を日に晒された応援席からただ茫然と眺めていた。「顔、洗ってくる」慣れない化粧に限界がきたのか、モモヤマさんはタオルと化粧落としを片手に立ち上がる。「いって…