第二章『赤い虚構を想う空』⑦
肌がジリジリと焼ける感覚が襲う。普段は室内だっただけに、日差しが眩しく感じた。隣にいるモモヤマさんも同じく目を細めている。彼女の白い肌も、今日は普段以上に際立った。目元は赤のアイカラーが入り、赤チークに赤リップと全体赤で統一されたメイクが施…
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第二章『赤い虚構を想う空』⑥
「はい、終わり!みんな今日までお疲れ様」ハヤミくんがパンッと手を叩いて叫んだ瞬間に、一斉に脱力する声が漏れた。明日は体育祭。今日が最後の練習日だった。「ハヤミさん。衣装はどうなりましたか?」生徒会長は鼻息を荒くして尋ねる。「届くのが明日の朝…
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第二章『赤い虚構を想う空』⑤
帰宅して教本を捲っていると、メッセージアプリの通知が鳴った。ハヤミくんからだ。『今日はおつかれ!なんか人数多くなってしまってごめんね』確かにB組の人まで来るとは思わなかったが、特に気にしていない。ハヤミくんらしい気の遣ったメッセージに、小さ…
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第二章『赤い虚構を想う空』④
昼休み、教室内でモモヤマさん、ハヤミくん、アカイくんの四人で昼食を食べていた。最近は応援合戦の話し合いの為に、四人で集まって食事を取る機会が増えた。「ジョウジマ、やっぱ来なくなったな」アカイくんは、モモヤマさん家のクリームパンを齧りながら間…
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第二章『赤い虚構を想う空』③
病院に訪れた。ナナミは依然として目を覚まさず、状態は変わらぬままだった。突如起きた時に目に入るように、常に近くに花を置いていた。以前、訪れた際に生けた花の水を替えて、今日持参した花を挿すと、部屋を出た。薄暗い廊下を歩くと、前方からナナミ母が…
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第二章『赤い虚構を想う空』②
ホームルームは、九月十日に行われる体育祭の出場種目を決める内容だった。私たち三年生は、綱引き、クラス対抗リレー、応援合戦に出場する。担任から話題が持ち上がった瞬間、辺りから嘆声が漏れた。小学生の頃は燃え上がったものの、正直今では、体力を消耗…
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第二章『赤い虚構を想う空』①
ぎらぎらと照りつける太陽に殺意が湧いた。陽炎揺らめくアスファルトを踏みしめるたびに、身体から汗が噴き出す。確か今日の気温は四十度を超えるはずだ。晩夏の粘り強さを肌で感じながら学校に向かっていた。講座で毎週登校していた為、久しぶりという感覚に…
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第一章『青天に映える白』⑥
屋台の食べ物を適当に購入し、広場前のベンチに座った。「すごい、たくさん買ったね」私はハヤミくんの両手に抱えられたものを見て呟く。いか焼き、たこ焼き、お好み焼き、串カツ、から揚げ、屋台に出されてるものあらかた購入したのではと疑うほどだ。「普段…
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第一章『青天に映える白』⑤
「やっぱりそうだ。私服だからすぐにわからなかったや」振り返ると、そこにはハヤミくんがいた。スポーツブランドのTシャツにハーフパンツ、肩には大きめのリュックを背負ってる。出で立ちから大学生と言われても違和感がない。「あ、ハヤミくんと……モモヤ…
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第一章『青天に映える白』④
球場周辺は、以前来た時よりも人で溢れていた。さすが決勝戦、メディア陣もたくさん来ている。私は慌てて中に入った。通路を進むと、先日と変わらない快晴が目に飛び込む。球場から見る空がきれい、という言葉もわかる気がした。球場内に入ると、外野までほぼ…
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第一章『青天に映える白』③
お父さんが家でよくプロ野球を見ていただけに、少しは野球の知識がある。ただ、球場に訪れた経験はなかったので、変に緊張した。「広い……!」球場内に入ると、雲ひとつない真っ青な空が目に飛び込む。惜し気もなく曝け出された日が眩しくて帽子をかぶり直す…
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第一章『青天に映える白』②
昼休みを知らせるチャイムが鳴る。昼食を取る為に食堂へ向かう者や、席をよせる者が目に入る。いつもの癖でナナミを待っていたことに気づいて溜息を吐いた。昨夜は考えごとをしていたせいで寝つけず、今朝はお弁当を作る時間がなかった。視線を落としてそそく…
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