3【清水 夏帆】①
夏。部活動をしている者にとったら、まさに戦の季節、とも呼べる時期だ。冬季から春にかけて蓄えてきた成果の発揮の場であるコンクールや大会が開催されることが多く、それこそ気候も暑けりゃ闘志も熱い季節となる。一ヶ月に渡る『夏休み』という期間に入ると…
○○からのオクリモノ
2【春川 桃吾】④
「前にも似たようなこと聞いたよね。一体何を根拠にそんなこと言ってるの?」春川は軽く首を傾げる。リンは再び黙り込み、目を逸らす。「あなたには、この世に未練なくきれいに終えて欲しいの。その為に私は、あなたの力になれる」その言葉を聞いた春川の表情…
○○からのオクリモノ
2【春川 桃吾】③
開花時期まであと一日。休日に入り、街は忙しなく車が走行する。そんな光景を春川は茫然と眺めながら、川辺を歩いていた。普段は登校も車の送迎であるにも関わらず、今日は珍しく一人で徒歩だ。「あんなに元気なのに、明日には死ぬんだよなぁ」隣で歩くゼンゼ…
○○からのオクリモノ
2【春川 桃吾】②
三時間目が開始する。国語の授業なのか、先生は音読しながら縦文字で黒板に板書し、生徒はそれを黙々と書き写している。対象には姿を認識されるため、下手に教室内に入ることができずに、リンは教室の外から春川をジッと観察していた。春川は退屈そうに頬杖を…
○○からのオクリモノ
2【春川 桃吾】①
「人間って不平等だよね。自分の立つ地位は、ほぼ生まれながらに確定されてしまう。幼い頃の環境が後々の自分を形成するというのに、性別も、両親も、住む場所も、社会的地位も、選ぶことができないんだ。自分であるのにも関わらず、他の圧力によって自分が構…
○○からのオクリモノ
1【草凪春太】④
「何だって、掃除した瞬間が一番きれいなもの。お風呂あがりや、クリーニングの後、そして、雑草を抜いた鉢植え」少女は、カツカツ靴を鳴らしながら近寄る。「花だって、雑草が抜けた瞬間が一番質が良い。それは人間も同じ、とは以前、言ったよね」「何を………
○○からのオクリモノ
1【草凪春太】③
「取り除けるとしたら?」「え?」予想だにしていなかった言葉に思わず顔を上げる。「私はその為に、あなたの元にやってきた」そう言うと、少女はどこからか分厚い本を取り出してページをめくる。俺はただ呆然とその様子を眺めていた。「問題の時間は、三月二…
○○からのオクリモノ
1【草凪春太】②
英語は、入学前の課題の結果によって階級がわけられ、唯一クラスというものが決められている授業だ。偶然拓哉と同じだったものの、基本的に大教室で行われる講義をメインに履修していた為、少人数のクラス単位で行う初めての授業に胃が痛くなる。開始までまだ…
○○からのオクリモノ
1【草凪春太】①
『春』と言えば、新しい環境で新生活が始まる節目の季節になることが多いだろう。特に俺、草凪 春太(クサナギ シュンタ)は、今年の春で大学一年生になる為、自分の中で大きく切り替わる、貴重で重要な時期となる。地元の私立大学だが高校までとは違い、制…
○○からのオクリモノ
プロローグ
街全体が俯瞰できる高層ビル屋上の柵に、小さな少女が腰かけていた。黒レースのあしらわれたゴシックな衣装を身に纏い、手には分厚い本を所持している。風が少女の真紅の髪を揺らす。強風が吹けば、その小さな身体は地上に投げ出されるというのに、彼女は全く…
○○からのオクリモノ
〇〇からのオクリモノ【完結】
最期の瞬間を生きる若者たちと死神たちの滑稽な相棒関係の物語。(現代ファンタジー/約170,000文字)※2020.12.24初公開
○○からのオクリモノ〇〇からのオクリモノ,ヒューマンドラマ,ファンタジー,吹奏楽部,尾泉市,日常,死期の花,白扇系列,花埼大学,虹ノ宮市,赤森中学校,青星第一高等学校,非日常