第二セメスター:十月➁
十月に入り、部活動では来月に向けての学園祭準備が始まっていた。 天文部は、学外イベントのように、プラネタリウム上映や、展示物の紹介はもちろん、星をイメージしたカフェの出展やプラバン作成などの体験型のイベントも予定していた。 観客の対象が、…
星降る夜のキャンパス
第二セメスター:十月➀
夏休みが終わる一週間ほど前に、成績が発表された。 私は、初めての大学の講義で要領がつかめず、どの講義も休むことなくマジメに出席していたので、何とか単位を落とすことのない成績だった。 上級生や知人情報だが、大学は気を抜くとサボり癖がついてし…
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夏休み➇
その日の夜。 再びホテル内で観望会、の予定だったが、あいにく今日は分厚い雲が発生し、観測できる天候ではなかった。 明日夜は、フェリーで帰宅する。まともに観測できる環境は今晩のみだったので、残念に思いながら各々旅館で過ごした。「倉木、今日、…
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夏休み➆
しばらく観測をした後、旅館に戻った。 明日も朝から行動する。日付が変わる頃に消灯した。 スマホを触る。土屋さんから、連絡はない。 私は自分が最後に送ったメッセージの「既読」という表示を見て気分が沈んだ。 今日一日、土屋さんとは話していな…
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夏休み➅
乗船し、男女わかれた就寝室に荷物を置く。「うち、女子少ないから広くてラッキーだよね」 同じ天文部一年の女の子が言った。「だね。私たちはベッドだけど、男子は雑魚寝だもんね」 別の子も行った。 就寝部屋は、二段ベッドが二つあった。四人部屋だ。…
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夏休み➄
八月下旬、合宿日当日。 今年は、九州に二泊三日の合宿に行くことになった。交通手段は、フェリーを利用する。なので船中泊を含めると、実質四泊となる夏のビッグイベントだ。「やっと、着いた……」 最寄り駅に着いた瞬間、月夜は、低い声で呟く。キャリ…
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夏休み➃
結果をいえば、イベントは上々の出来だった。 初めて解説班の一員として、プラネタリウム解説や、スライド解説を行ったが、子どもたち向けに作成したシナリオが好評だった。 イベントの後は、外に出て部内で観望会を行ったりしたが、その日はあいにくの曇…
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夏休み➂
バスが発車して一時間後、サービスエリアに着く。 「ここで十五分休憩をします。次の休憩は二時間近く先になるので、トイレや軽食や済ませておいてね」 一番先頭座席に座っていた土屋さんが立ち上がり、私たちの方を向いて説明した。「十時三十五分に点呼…
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夏休み➁
天文台でのイベント当日。 イベント会場は、大学から五時間ほどかかる山奥にある。だが毎週、天文台での観望会イベントがあり、家族連れが多く参加するレジャー施設でもあった。 今回は、観望会とうちの出し物のコラボという形のイベントだ。 天文部の活…
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夏休み➀
「私、夏が嫌いなんだ」 目の前で冷やし中華をすする月夜は、感情の微塵も感じられない表情で言った。 「何、いきなり」 私は、特に驚いた様子もなく、冷やしうどんをすする。「もし私が夏って名前だったら、傷つく言い方」「虹ノ宮は盆地だし、気温が高く…
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第一セメスター:六月➂
今日は、月夜が休みだった。繁盛期だから、とバイトを優先したようだ。 二ヶ月たった今、部活動には慣れ、友人もできつつあったが、基本的に大半が下宿生だった。なので大学までは自転車やバイクで通う人が多い。 月夜は、私の地元に下宿しているので、い…
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第一セメスター:六月➁
「じゃ、一年生は二年にシナリオ見てもらって」 その日の部活動の班活動中。解説班長さんが言った。 今は次回のイベントに向けてのシナリオ作成中。先月に初めて天文部員として観望会を行ったが、私たち一年生は、案内役などの雑用が中心だった。 だが、次…
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