第五セメスター:五月➁
連休も明け、講義も部活も再開した。 新入生たちの班分けも終えている。今年は例年よりも多い五十人程度入部した。天草のカリスマ性が顕著に表れている。「海老原くん。解説班になったんだね」 新入生も含む初めての班活動。私は、部室の隅に佇む海老原く…
星降る夜のキャンパス
第五セメスター:五月➀
ゴールデンウィークに入り、講義も休みになっていた。 連休中には私の誕生日があるが、大型連休には大抵部活と重なる。当日夜は、天草の家で過ごす予定だった。 外食も提案してくれたが、私はあえて家で食べたいと言った。日程的にも私の誕生日は大抵外に…
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第五セメスター:四月➁
新歓イベントも終盤。今日は飲み会だった。 もはや定番となった土下座像前には、新歓コンパで集まる部活やサークルが多数見られた。 天文部もその一部に陣取る。天草を中心とした幹部は、出席を取っていた。「天草さんは、学部どこなんですか?」 手持無…
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第五セメスター:四月➀
四月。新入生歓迎会の時期がやってきた。 このイベントは三度目。今年私たちは最上級生だ。「天文部でーす」「一緒に空を見ませんか~?」 基本的に勧誘は二年生が中心だが、私も率先してチラシを配っていた。二回目となると慣れたものだった。 私は後輩…
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第四セメスター:十二月④
「一人一万円じゃねぇの!?」 室内の料金精算機前。表示された価格を見て天草は目を丸くする。 確かに、普通の旅行だと一人当たりの値段が表示される。対してホテルは一部屋あたりの値段だった。その感覚を悪い意味で忘れていた。 同じやり取りを土屋さん…
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第四セメスター:十二月➂
次の日の夜は、天草の家で金城と月夜を呼び、四人で宅飲みをした。 もう明後日には、金城が日本を発つ。昨日の延長線、仲間内の二次会、ということで初めて宅呑みをした。「帰ってくるの、来年の年末だよな」 天草は、ピーナッツをつまみながら問う。「う…
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第四セメスター:十二月➁
「俺のためにわざわざ集まってくれるなんて、ありがたいな」 夜の大学キャンパス内。テラスに集まる部員たちを見回しながら金城は笑う。「しばらく会えないから、みんな惜しんでるんだよ」私は噛みしめるように言う。 今月末には、金城が留学で日本を発つ。…
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第四セメスター:十二月➀
天草と付き合って一ヶ月以上経った。 水曜日は基本的に大学の講義が少ない。私も天草も休みなので、火曜日の部活後は基本的に天草の家に泊まりに行くことになった。「天草……つけなくていいよ」 熱気のこもる室内。本番に入る直前、私は言った。 避妊具…
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第四セメスター:十一月➁
晩御飯を適当に食べて天草の家に帰る。バス停まで自転車で来ていたようで、自転車の後ろに乗って 天草の家まで向かった。 冬の夜空の下、藍田川を自転車で駆け抜ける。 自転車で二人乗りなんて、まるで青春のイチページみたいだ。 天草の家に辿り着く。…
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第四セメスター:十一月➀
学園祭が終わった。 今年は、ゼミの活動もあり、また天文部もありで 三日間ほぼ毎日学校いた。 昨年思ったが、うちの大学は、キャンパスがひとつに固まっているだけに規模が大きい。芸人さんを呼んだりアーティストなどのライブがあったりする。三日間、…
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第四セメスター:十月⑨
次の日。 昼休み食堂内。金城と月夜の四人で食事を取っていた。「何となくわかってたかも」 ざるそばをすする金城は笑う。「恒星、倉木のこと好きだと思ってたし」「なんだよそれ」 天草はやり辛そうに顔を引き攣らせる。「だって、視線が明らかだったし…
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第四セメスター:十月⑧
土屋さんと別れてからの平日。毎週会っていた水曜日に予定がないのが、違和感があった。 あれから連絡は来ない。正直、電話だけで済ませた私も悪かったと今更思うが、もう後には引けない。 彼は、彼なりに前を向いて歩いてほしかった。 土曜日。天草と…
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