星降る夜のキャンパス

第三セメスター:四月④

 変化が起こった。 それは、金城の隣には、大抵水谷さんがいることだ。 水谷さんは、班はもちろん金城と同じ展示班で、最初と最後のミーティングでも、必ず彼の隣に座る。普段彼と一緒にいる私たちは、距離感に困惑していた。 部活動だけでなく、学内でも…

第三セメスター:四月➂

 新入生歓迎コンパが始まった。いつものイベントよりも倍以上の新入生がいる。恐らく勧誘チラシを配った際の天草の対応のせい、いやおかげだろう。 新入生が増えれば増えるほど私たちの支払う金額が増える。先輩になってから気づいたことだ。 だが、昨年は…

第三セメスター:四月➁

「ヤンデレだね」騒がしい食堂内。目前に座る月夜は、千切りキャベツを口に運びながら頷く。今日も劣らず美しい。「ヤンデレ?」聞き慣れない単語に、私は首を傾げる。「相手を好きすぎるあまり、病んでしまう人のこと」私は思わずあぁ、と声が漏れた。月夜の…

第三セメスター:四月➀

「天文部でーす」桜舞うキャンパス内は、浮ついた空気で溢れていた。そこら中で笑い声が聞こえ、歩道は緊張した面持ちで歩く新入生、脇にはチラシを携えた上級生で溢れている。たまに「新入生と間違えられちゃった〜」と満更でもない高い声が上がる。私は、そ…

第二セメスター:十二月➂

 クリスマスは、全て土屋さんに捧げた。 イブは、火野さんからもらったテーマパークのチケットで過ごした。 明日のクリスマスは、展望台で空を見上げる予定だ。 テーマパークを楽しんだ後、もはや行き慣れたホテルへと向かった。「クリスマスだと高くなる…

第二セメスター:十二月➁

 秋学期のテストは、年末から年明けにかけて行われる。その為、クリスマスやお正月のビッグイベントがありながらも、大学の冬休みは短かった。 ただ、テストが終わればすぐに春休みが訪れる。 街中は、クリスマスムード一色だった。 初めて恋人と過ごすク…

第二セメスター:十二月➀

「じゃ、今から班に分かれて活動します」 新しく部長になった火野さんが言うと、部員たちは返事をして各々に動き始める。 無意識に、火野さんを目で追っていた。 明るくてゆるいパーマの活発な髪に、オフショルダーのニット。夏も引き締まった美貌を惜しげ…

第二セメスター:十一月➂

「本当に、取れそうにないや……」 あれから二日経った現在。鏡に映る私の首筋には、いまだハッキリキスマークがついていた。 自宅ではタオルで隠せるが、外では中々難しい。絆創膏を貼るにも首という位置であるだけ違和感があった。髪も短いのでむき出しだ…

第二セメスター:十一月➁

 次の日の水曜日。 昨夜に、土屋さんと連絡した際、明日ドライブに行こう、という話になった。昼間はお互い、バイトと研究室だったので夕方に合致の予定だ。 バイト中も、ずっと浮かれていた。 アルバイトの店から出ると、前に車が止まっていた。 ガーッ…

第二セメスター:十一月➀

「空ちゃん。そろそろ俺といるときは、敬語やめない?」 十一月の初旬土曜日。私はアルバイト、土屋さんは研究室が終わった後に、いつものように食事をしていた。 今日は大型ショッピングモール内のパスタ屋。この後、映画も見る予定だった。 私は、パスタ…

第二セメスター:十月➃

 腕を引かれるまま辿り着いたのは、駅から少し離れた場所にあるホテルだった。 夢の国ようなファンシーな装飾、壁には「宿泊五千円~、休憩二千円~」と大きく書かれた看板が掲示されている。 そんな建物を茫然と眺める。「ここは…?」「んー、ラブホ?」…

第二セメスター:十月➂

 水曜日。この日は元々講義が少なく、私も休日にしていた。土屋さんの研究も休みなようで、私もアルバイトのシフトを開けていた。 この日は、土屋さんとテーマパークへ遊びに行く予定だった。 付き合ってから毎週会っているが、飲食店での食事が中心で、休…