中間休み2
予想外の展開になったが、これも現実に立ち向かう為に必要な武器を得る為であり、それは皆納得できることだ。その日から、北条の家のある藍河稲荷神社で特訓という名の筋トレが始まった。関係者以外入ることのできない区間であれど、学校のグラウンドほどの広…
夢現の恋蛍
中間休み1
廃病院の一件から、自分には「夢で未来を視る力がある」という現実を受け入れた。そのことから、以前も抱いた違和感を感じた。どうして自分は、今まで無事だったのか。神隠しの時は鬼に、廃病院の時は少女に襲われた。そして現実でも、夢で視た内容と変わらな…
夢現の恋蛍
2時間目:国語9
時刻は、午後五時三十分。病院を後にし、赤い夕日が照らす街を四人は歩く。「俺、霊感ないのかなぁ」東は、腕を組んで悔しそうに口を曲げる。「おまえらが冗談言ってるようにも見えなかったけど、やっぱ女の子の物の怪は見えなかったんだよな」「まぁ、さすが…
夢現の恋蛍
2時間目:国語8
時刻は、午後四時二十分。藍河稲荷神社から北へ五百メートルほど進んだ先に目的地があった。西久保の案内の元、四人は歩く。五階建ての総合病院は、壁に所々ひびが入り、看板もサビが目立っていた。電気はついておらず「工事中」とプレートが掲げられている。…
夢現の恋蛍
2時間目:国語7
花粉の時期も終わりを迎え、肌寒さも無くなりつつある春真っ只中。温かい日差しが、眩しくて鬱陶しいと思った。それほどに気分は、最悪だった。莉世は目覚まし時計を止めて十分、呆然と静止中。頭が全然回らない。それは気候のせいなのか、起きたてだからか、…
夢現の恋蛍
2時間目:国語6
帰宅路を父親と歩く。自分の眠っている間に家に帰っているのだろうが、こうして顔を合わせるのは久しぶりだった。父親の手を握る。昔から変わらぬ温かさに安心感を抱く。しかし、先ほどの父親の態度に少し不信感を抱いた。「パパはさ、何か、隠してるよね………
夢現の恋蛍
2時間目:国語5
「じゃ、また明日」神社を後にし、曲がり角で東と西久保とも解散となる。互いに手を振ると、自宅へと歩き始めた。赤い夕日が頭上を照らす。日は西に深く沈み、もう数分後には夜が訪れそうだった。雲にできた黒い影が、昼間とは違うこの街の顔を見せた。ふと、…
夢現の恋蛍
2時間目:国語4
時刻は、午後五時〇分。結局この日は、神隠しに遭わなかった。北条の言う通りならば、神隠しの元凶である鬼は、すでに浄化されているようなので当然だった。「俺にビビって、出てこなかったんだ」東は、不貞腐れて言う。「せっかく、試そうって思ったのに」西…
夢現の恋蛍
2時間目:国語3
朱塗りの大きな鳥居の前に立つ。藍河区を代表する観光名所に、二日連続で訪れることになるとは露ほども思っていなかった。時刻は、午後四時二十九分。噂の時間まで十五分。「今日は俺も、鬼と会うぞ~」東は、まるで友人と会うような調子で言う。その隣では、…
夢現の恋蛍
2時間目:国語2
就業のベルが鳴り、授業は終了する。今日から部活動見学も始まり、皆、グラウンドや部室へ向かう。しかし、この街では大人しく生活すると決めた莉世は、黙々と帰宅の準備をする。「おい、南の南雲。今日もヒマか?」東は手を上げて言う。その隣には、呆れた顔…
夢現の恋蛍
2時間目:国語1
時刻は、午前八時十分。莉世は、重い足取りで学校へ向かう。今日は、悪夢を見なかったことで寝覚めはよかった。だが、気分は憂鬱だった。昨日は、東や西久保の誘いを断れずに神隠しの噂を確かめに行くことになった。そして実際、山中に迷い込み、結果鬼に遭遇…
夢現の恋蛍
1時間目:社会9
時刻は、午後十一時三十五分。くたびれた和服を着用した春明(ハルアキ)は、深い溜息を吐きながら、藍河稲荷神社に向かっていた。連日作業が続き、眠る為だけに帰宅する生活になっている。今は仕方ないとはいえ、愛娘としばらく話せていないことは気がかりだ…
夢現の恋蛍